猫系官能SF超大作(?)
ゾナーとプラナー
 
 
プラナーは、お母さんを思い出しました。
プラナーの微かな記憶の中には、綺麗で優しいおかあさんがいました。
エジプト彫刻で描かれているような、長くてピンとした尻尾、
短いけれどホワホワと柔らかい毛、
そして、お母さんは、とても良い匂いがするのです。
もっともプラナーは、生まれたばかりでお母さんと離れ離れになったので、
実際に覚えているワケではありません。
それは、プラナーの、
「こんなお母さんだったら良いなぁ」という
理想の姿に過ぎません。
でも、とにかく、ソレが、プラナーにとっては、
お母さんなのでした。
「お母さぁん」
プラナーは、とても悲しくなりました。
 
表  紙|犬の曠野
 
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